教科書問題・理数編
この時期の風物詩となっている?教科書検定問題。今年もかなりエキサイトしました。
文部科学省は5日、来春から使用される中学校教科書の検定結果を公表した。学習指導要領の範囲を超える「発展的内容」が中学で初登場し、学力低下を受け練習問題も増加。ページ数は現行に比べ数学と理科がともに23%増えるなど、ゆとり路線のスリム化から一転、教科書の厚さは16年前の水準に戻った。数学の「二次方程式の解の公式」など高校レベルの内容が、発展的内容として復活した。
[共同通信:2005年04月05日16時45分]
ボクもつい昨日まで中学生相手に数学を教えていたので、とても気になっていた話題です。この一件で、考えうる問題が二つほどあります。
まずは教育現場の問題。発展的内容は高校入試に出ないとは言うが、習う以上は日頃のテストに出ることは避けられない。(もしテストに出さない「教えっぱなし」なら、ただでさえ短い授業時間のムダである。)各学校・クラスの方針でカリキュラムが細分化していくでしょう。その細分化に、教育に携わる全ての人がついていけるのかが分かりません。例えば学習塾でテスト対策をするにも、生徒がどういう内容を教わったかが教科書だけでは見えないので対策のしようがない。とくに今年度、学校側は発展的内容の補完プリントを出すことが予想されるので苦労を強いられると思います。
そして不公平の感が否めないのは現在の高校生、ゆとり教育にどっぷり浸かった世代です。発展的内容を学ぶ権利すら与えられなかった生徒は今後の授業に実力・意欲共に対応できるのか?いずれは必ず高校や大学の授業でまとめて習うことになるでしょうが、その詰め込みラッシュに挫折してしまわないか心配です。教育改革が起こるたび、改革前の世代に何の補償もされていないという現実は良くない。改革前の世代は平然と進学していきますが、大学のベテラン教授に白い目で見られるのが予見できます。「発展的内容」とて大学じゃ「周知の事実」になりかねませんから。これ、23歳の経験談ネ。
今回は「瀬戸智子の枕草子」にトラックバックです。社会科編は、また今度。
« 元OHAガール現場に帰る | トップページ | 病院には清潔感を »
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 教科書問題・理数編:
» やっぱり面白い入試問題 [瀬戸智子の枕草子]
以前、よ〜く見れば楽しい入試問題というタイトルで入試問題には、ユニークで楽しいも [続きを読む]
» 公式の成り立ちは『発展的内容』で・・・ [学力低下と戦うブログ]
中学の数学で、二次方程式の解の公式が消滅していたのが復活するということになった。
二次方程式の解の公式を学ぶ際のコツを考えるとき、テキストや教科書にもその導き方が出ているのだが、果たしてそれを練習する必要があるだろうか。つまり、その公式の使い方を学ぶほうが大切だ。数式を計算していったら二次方程式になったら、解の公式を使う。
確かに、その成り立ちは全くやらないのはどうかと思うが、そこに�... [続きを読む]
コメント