第二のクワンと呼びたくない
テレビ朝日「GetSports」を見ながら書き込み始めています。この局ではフィギュアスケートのグランプリファイナルを放送するということで、この類の特集に力が入るのは必然ですな。
そのグランプリファイナルに浅田真央選手が出場確定したということ。15歳は若すぎるということで来年のトリノ五輪には出場できないけれど、この大会で優勝なんぞした日には特例を認めてもいいんじゃないか・・・ということをコメントしているジャーナリストもいたな。まぁ五輪には最高レベルの選手が出るべしという理念もあるようだし、規定を盾にそれを踏みにじるのもいかがと思いますがね。そこん所はお偉い方々が決めることですから、しばし静観してみましょうか。
また関係者が特例を認めさせる理由として、浅田選手を第二のミシェル・クワン選手にしたくないとの腹があるのでは?という記事が「R25」に載っていました。
ミシェル・クワン・・・、90年代後半の女子フィギュアはみんなが彼女に大注目だった。しかし2度の五輪で金メダルを逃し、トリノについても右臀(でん)部の故障が響いているとのことでR25のレビュアーはかなりキツいコメントで彼女のことを評しています。以下、「R25ランキンレビュー」より抜粋。
(クワンは)96年、15歳で世界選手権に優勝、98年の長野五輪で優勝候補筆頭に挙げられながら2位に甘んじ、02年ソルトレイクも3位に終わったクワン。今年で25歳になり、希代の天才少女も五輪無冠のまま、キャリアを終えようとしている。
外国のフィギュアスケーターではクワン選手の演技くらいしか芸術性が分からないので彼女がトリノの銀盤で舞うことができるのか気が気でないのです。だからこんな書き方されるとかなりショックだ。仮に競技スケートから一線を退いたとしても、「魅せる」プロスケーターとして凱旋公演とかしていただけると嬉しい。早い話、日本で彼女の演技を見てみたいと切望しておりますのょ。
さて、五輪出場資格に年齢制限を加えたのは、医学的見地によるものだと聞いたことがあります。幼いうちに体を酷使するとケガしやすいということですか。そのいい例がクワン選手だとでも言いたいのか。関係者の腹の内は
「浅田真央選手は今後4年間で体に故障を起こすかもしれない。新たなヒロインに駆逐されることもあろう。対抗できる選手がいない今だからこそ、日本が金メダルを獲れるチャンスだ。」
って感じだろうなぁ。多くの出場希望論者は今の浅田選手を観たいのでしょう。お気持ち充分分かります。しかし皆様、この腹の内には言外に
「浅田は今がピークだ」
という意味が読み取れるということにお気づきなのでしょうか?ボクはこんな失礼なこと微塵も思っちゃおりませんて。バンクーバー(そして2014年某所)で華麗に舞う姿を楽しみにしている人間の一人です。息の長いアスリートであってほしいと願っておりますから、そのためには4年という長い時間を見据えて無理をしてほしくないし、さらに磨きをかけていただきたいです。1年ごとに成長していく彼女の姿を見守りたい。トリノでの演技を見たっきりで「ハイ、おしマイケル♪」みたいなミーハー根性は好かんのです。この騒ぎについては、浅田選手を客寄せパンダに仕立て上げているようにしか見えません。
クワンを長野五輪で下した当時15歳のタラ・リピンスキーを見て「幼いのにすごいな」と本格的にフィギアを始めたという浅田。そのリピンスキーは米ABCTVの浅田の五輪出場を訴える特集で浅田を援護。それを見た浅田も素直にうれしかったと笑う。「トリノに行けるのなら行きたいです。でもルールだから。バンクーバーを目指します」。GPファイナルで浅田が3位以内に入れば、世論に負けて翻意、という可能性もなくはない。
(伊藤友二)
関係者の思う余計な心配は無用だと思います。日本には有望な選手がたくさんいるんだから表彰台を独占することも夢ではない(と信じたい)。浅田選手にその重責を背負わせるには早すぎる!あと、クワンさんの選手生命だってまだまだ終わって欲しくないとも、思います。いずれにせよ、どんな形に収束せよ冬季五輪が楽しみです。
今回は「R25ランキンレビュー」と、「Melody Talk」にトラックバックです。各々が関連記事へのリンクになってますので、是非。
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マサボンさん、はじめましてRIKKOと申します。マサボンさん!!いい記事ですね!!私もフィギュアスケートの大ファンなので興味深く読めせて頂きました。知らなかった事がたくさんあって、感心しました。
真央ちゃんの件については、同感!!です。一昔前と違って、今の日本には誰がでてもメダルを取りにいくチャンスはあります。
私も、大騒ぎしてるのには真央ちゃんを客寄せパンダのように扱っているようにしか思えません。15才の少女の気持ちを本当に第一に考えて欲しいものですね。
投稿: rikko | 2005/12/22 01:08
RIKKOさんコメントありがとうございます。
今まで全然気がつかなかったけど、15歳ってことは中3?1990年生まれだから多分この冬は高校受験まっさかりですね。どうせ特例を認めるなら、スポーツ推薦とか入試方面で優遇していただきたい。スケートの技術を磨くのに最適な環境でバンクーバーに備えていただきたいです。
投稿: マサボン | 2005/12/24 01:01
マサボンさん、興味深く読ませて頂きました。
僕もフィギュア好きの姉の影響で、小さい頃からフィギュアスケートはよく見ていて、この記事を「うんうん、そうそう」と一人納得しながら読ませてもらいました。
ファンの皆さんの想い(例え〝にわかファン〟の方であっても)を考えれば、このまま何もせずトリノ行きを諦めることは残念かもしれませんが、何より大切なのはオリンピック出場の夢はファンの皆さん以上に真央ちゃん自身が一番強く抱いているものであることだと思います。決して表に出すことはなくとも、一番悔しい想いをしているのは真央ちゃん自身ではないでしょうか?
日本スケート連盟がいろいろ動きを見せようとしている今、まだわずかながら出場の可能性はあるのかもしれませんが(まず無理でしょうけど・・・)、今のこの社会現象とも言えるファンの皆さんの声がバンクーバーまで繋がっていくことを願ってやみません。
そして何より、トリノ行きの切符を掴む3人の選手(安藤、中野、荒川の3名が本命かな!?)の活躍と、マサボンさんのおっしゃる通り、クワン選手の輝きに期待!
長文、失礼しました。
投稿: たく | 2005/12/24 13:13
たく さん、コメントありがとうございます。
今さらこんなこと書くのも何なんですが・・・。代表も決まった途端、何かサプライズが起きそうな気がしてならないんですね。「選手」としてではなくともトリノで舞うことはあるんではないか?ってね。例えば開会式・閉会式とか・・・。
果たしてIOCの見解は?ここまで達観してもらいたかったなぁ、マスコミは。
投稿: マサボン | 2005/12/26 12:45