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2006/07/01

誰がために金英男は語る

 事あるごとに北朝鮮拉致被害の話題がのぼる。このことに尽力されている方も多いし、専門家の方もいらっしゃる。本質については報道が先行しているので、ここではボクが思ったこと一点突破で書いていきたい。北朝鮮は何のために嘘をついているのだろうか?
 元記事はこちら。

<拉致問題>めぐみさん「94年に自殺」 金英男さん会見

 【ソウル堀山明子】日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫とみられる韓国人拉致被害者、金英男(キムヨンナム)さん(44)は29日、北朝鮮・金剛山のホテルで記者会見した。韓国共同取材団によると英男さんは、「めぐみさんは94年4月に自殺した」などとする北朝鮮当局の主張通りの発言を繰り返した。04年11月、めぐみさん拉致の事実調査のため訪朝した日本政府代表団に提出した「めぐみさんの遺骨」が後に偽物と判明した問題については「私とめぐみに対する侮辱であり、耐え難い人権じゅうりんだ」と反発した。さらに自分が北朝鮮に拉致されたことを全面否定。「私の問題はこれで幕を下ろしたい」と拉致問題の幕引きを宣言した。

 記者会見は約45分間行われ、母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)と姉金英子(キムヨンジャ)さん(48)も隣に座った。めぐみさんの娘キム・ヘギョンさん(18)も同席する予定だったが、直前に取り消された。
 めぐみさんの病状について英男さんは「うつ病による精神分裂だった。好転した時に自殺しようとすることが何度もあった」と述べた。また「めぐみは幼いころ事故で脳に大きな損傷を受けたと話していた」と語り、体調悪化がうつ病を誘発させたとの見方を示した。
 また北朝鮮はめぐみさんの死亡時期を93年3月から94年4月に訂正したため、信ぴょう性に疑いが出ているが、英男さんは「いろいろ説があるが、別の機会があれば話す」と回答を避けた。
 04年11月に拉致の事実調査のため訪朝した日本政府代表団に「キム・チョルジュン」と名乗った理由については「日本との関係で名前が公開されると望ましくないと考えた」と述べ、同一人物だったと認めた。
 また、ヘギョンさんの名前が今回の面会名簿では「ウンギョン」と登録された点について「本名はウンギョンで、ヘギョンは幼名」と説明した。
 一方、自分が78年8月に北朝鮮に渡った経緯について、身を潜めた小舟が沖に流され、北朝鮮の船に救助されたと主張した。
 時折、手元のメモに目をやりながら会見に臨んだ英男さんは、最後に「北朝鮮は私を助け、迫害するどころか、特別待遇してくれた」と感謝し「私生活が政治化、国際問題化するのは望まない。静かに暮らしたい」と強調した。
[毎日新聞:2006年06月29日 21時09分]

 この発言自体、北朝鮮お決まりの虚言癖の成せる技であり、金英男氏はそれをオフレコで言わされているに過ぎないというのが識者の意見だが、あえて言っていることが真実だと考えても配慮に欠ける発言だ。
 義理の親(横田滋さん・早紀江さん)に対して、実の娘が精神障害で自殺したという事実は受け入れがたいはず。でもそこのところをサラリと言ってのける神経が分からない。めぐみさんを死に追いやった精神障害の根本は何だ?自身は優遇されていたのにめぐみさんの待遇はどうだったのか、共に祖国を離れた身として寂しさを共有して逆境を乗り切ることはできなかったのか。発言では障害の根本を幼少期の事故に当てつけて責任転嫁してるけど、間違いなく「旦那失格」ですな。
 横田めぐみさんの遺骨がDNA鑑定で偽物と判明したが、金英男さんがめぐみさんの夫であるということも含めて嘘だとすると(まだ真実とも決まっていないからね)、偽物ということも納得がいく。少なくともその遺骨は金英男氏の妻であって横田めぐみさんでないという可能性もある。だったらこんなガセネタ、とっとと遺骨を返して表舞台から消えてほしい。北朝鮮の息がかかっていない人物からの聞き込みで一刻も早く横田めぐみさんの消息をはっきりしていただきたいものだ。

 金英男氏が北朝鮮に拉致されたことを否定し、待遇を礼賛したことも気持ち悪い。助けてくれた国に住み着くとはどういうことだ?漂流した瞬間は祖国に帰りたいと思ったはず。しかも助けてくれた(とされる)北朝鮮とは陸続き、すぐ帰れるじゃないか!自分の親にも失礼だ。そして、せっかく親が会いに来たのに、それでも自分はまだ北朝鮮にとどまっている。金英男は、心まで北朝鮮に奪われたのかもしれないな。

 「私生活が政治化、国際問題化するのは望まない。静かに暮らしたい」と強調した金英男氏だが、残念ながらこれも嘘だ。何らかの形で外交のカードに使われることは間違いない。あらがってでも韓国に戻っていれば話は変わっていたんだろうけどねぇ。日本に拉致被害者5人が帰国したときにも思ったが、そもそも拉致を認めたにも関わらず、拉致した人を北朝鮮にとどめたいという論法が分からない。拉致は誘拐の一種だ。いったん解放された人質(拉致被害者)を、みすみす加害者(北朝鮮)に引き渡すほど日本はバカじゃないぞ。今回の件では逆に加害者のところに被害者の家族が乗り込むという、本来ならありえない展開だった。無事に帰国できたようで一安心。しかし、相対した「オフレコ虚言マシーン」を「家族の一員」と思ってしまった被害者家族が可哀相でならない。せめて、韓国人としての意識を叩き込んでおけばよかったものを。

 何かダラダラ書いちゃったかな。この一件で、誰も得をしてないように見える。だって眼前の全てが嘘なんだから。北朝鮮は、何のために嘘をついているんだ?今回は「いとうな日々」と「~じょいなす~」(当時拉致実行犯だった人のコメント有り)にトラックバックです。

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