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2007/01/16

ロストジェネレーション?

 ロストジェネレーション、和訳すると失われた世代。本来の意味はともかく、朝日新聞が年始に「バブル崩壊後の就職難で正社員になれなかった世代(25歳~35歳)」、をロストジェネレーションと呼び特集を組んだ。ボクはこの世代に当てはまりまして、新聞ではボクたちを
「踏み台世代、転身世代、反乱世代(1日)」「世直し世代(3日)」 「仮面世代(4日)」
「自分探し世代(5日)」「消耗世代(6日)」「起業世代(7日)」「難婚世代(8日)」
「愛国世代(9日)」「脱レール世代(10日)」「まじめ世代(11日)」「創造世代(12日)」
と比喩していました。

 俗にボクたちは「貧乏くじ世代」とも呼ばれ、社会人デビューしてから散々煮え湯を飲まされた経緯があります。ちなみに団塊の世代は「食い逃げ世代」と呼ばれているらしい。国の借金とかを当てはめれば、団塊の世代が食い逃げしたツケをボクたちの世代が払わされている世代間の構図が容易に思い浮かぶが、事態は思うほど単純ではない。

 朝日新聞の記事を読んで、ボクには大企業の正社員が高みの見物をしているという印象がぬぐえませんでした。で、「文化系トークラジオ Life」(TBSラジオ)を聴いていると、「創造世代」の代表として記事に出ていたチェルフィッチュの主宰岡田利規さんのメールが紹介される。番組ではパーソナリティの鈴木謙介さんが読まれていたものを以下に書き起こします。

 先日の新聞記事「ロストジェネレーション」ですが、これには正直参りました。何だか自分がえらい苦労人みたいになってて、自分でも記事を読みながら思わず「この人大変だなー」て思ってしまいそうになりました。苦笑の事態だったです。
 小劇場演劇とかやってる人間にとって、大学卒業してから23歳から10年間バイトするなんてのはごくごく普通のことで、断言しますがこれは世代とは関係ないです。「ロストジェネレーション」の企画意図の説明とともに取材依頼が来たとき、僕が昨年末フリーターのことをテーマにした演劇を上演したので、その文脈でこの依頼が来たのだろう。公演のことがフィーチャーされた記事になるのだろうというつもりで取材に応えました。確かに自分のこれまでのことも、訊かれたので話しましたが、まさかあそこまで僕自身がフィーチャーされた記事になっているとは思いませんでした。読んだ時は恥辱を受けたと言っていいような感情を覚えました。しかしそれが、雑誌等と違って取材を受けた側が校正をさせてもらえない特性を持つ新聞というメディアなのですよね。今は迂闊だったと後悔しています。小説家の中村文則さんの「損している世代だと思う」という発言が記事の中に使われていますが、例えば僕は取材の時
「僕らより上の世代は一旦バブルの恩恵を受けて、その後ズドンと地に落とされて、それって辛いんじゃないかと思うけど、僕らは最初からそんな恩恵受けてないから逆にそういう辛さはないぶんラッキーだと思う。
というようなコメントをしたりしています。でもそれは使われませんでした。

 ここまでで気がついたのは、
「記事はインタビューの後に書かれたんじゃなくて、あらかじめ大綱が決まっていたのでは?」
という疑問。インタビュアーが多分にステレオタイプな人間であることをうかがわせます。大綱を膨らますために都合のいい発言だけ抜粋してしまう。これって、極論言えば、情報操作って奴ですか?
 メールにはまだ続きがある。

 もう一つだけ言わせて下さい。取材の日、僕の家のそばの駅で新聞社の方と待ち合わせをしました。そこには黒塗りのハイヤーが停まって僕を待っていました。いつも自分が散歩しているエリアをこのハイヤーに乗って移動して、海沿いで写真を撮ったり公園で写真を撮ったりしました。取材してくれた記者の方はきれいなスーツを着て、ブランドもののバッグを持っていました。車に乗るときも車から降りるときも白い手袋をつけた運転手がドアを開けてくれました。そんな風にしてあの記事は書かれています。

 これで疑問に思うのは、
「ハイヤーって、一般庶民が乗れる代物かね?」
 何故に記者は電車で現場に行かなかったのか。そういうところが、ボクが記事を読んで直感した「大会社の正社員」イメージを裏付けるのですよ。インタビューも、体験取材も、ぜーんぶ「高みの見物」じゃないか。しかも同年代の記者。「同じ年代だけれど、私と君たちロストジェネレーションは違うからね!」と踏みにじられてる気がして、気持ちが悪い。

 失われた世代とは言え、一体何を失ったのか?ボクの場合「安定した収入」と「自信」を失ったわけですが、逆に世に問いたい。ボクからこの二つを奪ったのは誰だ!?・・・前述の単純な構図を見れば、奪った奴は大概分かる。しかし、分かった所で奴らが責任を取らないことも分かってる。奪われたら、取り返すだけのことだ。社会に必死であらがいながら、生きていくしかないんだ。

 子供の頃から親に
「いい高校入って、いい大学を出て、いい会社に入ればいいんだ!」
なんてこと言われていたけど、そんなことできるはずもない。なぜならいい会社なんてどこにもないんだもの。ここで「何を以って『いい会社』とするのか?」という疑問が浮かぶが、「評判」が最も無難であろう。利益を上げて企業も社員も潤っている会社は評判もいい。絶大な信頼を得ている会社も評判がいいからね。(でも、強いて言えば、朝日新聞社は多分「いい会社」なんでしょう。そうでなければ、あんな記事は書けますまい。)ただ、ボクより上の世代は自らの会社を「いい会社」にすべく自助努力しているのだろうか?最近の報道を見ていると、評判を落とす行為があまりにも多いではないか。世論も評判について懐疑的になっている。ボクらが社会に出る前に、その社会をズタスタにしたのは他ならぬボクらより上の世代ではないか。

 政府は非正社員や求職者の再雇用を応援する「再チャレンジ支援税制」を進めているが、この政策からフリーターやニートを外すことを決定しました。この情報をボクが得たのはリクルートの「R25」No.125。(購読はリクリートマガジンプラザで気軽にできます!)

 かつてこの会社は「フリーター」という言葉を生み出し、世のバイト君をひとくくりにしました。そして今、フリーターという言葉は蔑称として使われている。「ロストジェネレーション」も、同様の類なのだろうか。そんな形でくくられるのは、まっぴらであります。

 いろんな人に罵倒され続け、騙されてきたから相当パンチドランカーになってる。いつの日か「将来の夢」も失ってました。機会があれば大きなこともやってみたい。でも、国がそうさせないことまで分かってしまった。だから今は、小さな幸せを積み上げていきたいのよ。些細なことでもいいから自信を取り戻したいのよ。
 渋枯れたら、水を吸い込むだけのこと。水を下さい。「希望」という名の、水を下さい。

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コメント

マサボンさんトラバありがとうございました。
こちらからもトラバさせていただきました。

ばりばりのロスジェネです。何とか正社員、でも物価や金利あがってもがいている30代独身結婚の先まったく読めません。

就職は本当に厳しく、現実思考で小売やっていますが、厳しい。
今の高齢者のリッチ風な生活無理です。

本題。受験戦争にだまされました。大学行けば人間合格という風潮が私のころにはありました。しかもセンター試験受験者スーパーピーク。ストレスで汗かけなくなり、かわりに針に刺される痛みが出るほど。

そして、待っていたものが氷河期です。自殺者も出ていますよ。私の通っていた大学院では、飛び降りた人いましたから。

本当に、この時代を読めなかった経済、憎いです。
憎いから、死なずに、もがいてがんばります。

それでは、失礼します。

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