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2007/09/30

死ヌトイフコト・急

 前回の記事を某mixi内で公開したところ、、とんだ死刑廃止論者にコメントをいただいてしまいました。その方の日記を読むたび「これ以上関わらない方がいいな」と気持ちが遠のいて今に至っています。

<鳩山法相>死刑執行のあり方巡り勉強会開催の意向

 福田内閣で再任された鳩山邦夫法相は25日夜、法務省内で記者会見し、死刑執行のあり方について「『この大臣はバンバン執行した、この大臣はしないタイプ』などと分かれるのはおかしい。できるだけ、粛々と行われる方法はないかと考えている」と述べたうえで、改善も視野に入れた勉強会を省内で設けたい意向を示した。
 死刑執行はその重大性を考慮し特に慎重を期する必要があるとされており、法相の命令が必要となる。鳩山法相の発言の背景は、執行が行われなかった杉浦正健元法相時代(05年10月~06年9月)と、計10人の執行命令書にサインした長勢甚遠前法相(06年9月~今年8月)など、法相の信条や宗教的理由で左右される現状に対する疑問があるとみられる。
 一方、再任が決まる前の同日午前にあった会見で「(死刑確定の)順番なのか、乱数表なのか分からないが、客観性のある何かで事柄が自動的に進んでいけば『次の執行は誰』という話にならない」などと述べたが、夜の会見では「乱数表などと言ったのは少し反省している」と表現を修正した。【坂本高志】
[毎日新聞:2007年09月26日 00:42]

「生きる権利は、誰とて奪ってはならない。」
とはよく言ったもので、死刑廃止論の根幹もこの思想に基づいています。しかしこれが理想に過ぎないから殺意が湧くのであり、殺人が起こる訳で。ましてや生きる権利を奪った犯人にまで情けをかける必要も無い訳ですから。

 死刑執行に法相の命令書が必要で、本来なら死刑判決が出てから半年以内に死刑が執行されなければならない所に食い違いが出ています。本日現在、死刑確定者は104人。この多さは行政府が司法府の判断に背いている証左であり、現行法上これは是正されるべきでしょう。

 「ピンポン!」(TBSテレビ)内で宮崎哲弥さんが
「死刑執行の情報はもっと公開されるべきだ」と仰っていました。ボクが昨晩あたりから考えついたのは、国民投票の適用です。憲法改正で話題になったアレを死刑執行の判断として使う。これなら死刑執行について国民一人一人が考える契機になるし、宮崎さんの主張にも合致するでしょう。問題は執行保留が相次いで死刑待ちの人が増加しかねないこと(さすれば死刑廃止論が現実味を帯びるでしょうが。)と、半年以内執行の原則が崩れるということ(裁判官の罷免同様、選挙と同時に行った場合。ただ、確定後の拘置期間が平均8年を超えている現実を踏まえれば刑法改正は問題ないでしょう。)

 ボクが死刑存続を希望するのにはひとつの疑義があります。刑事罰を一切犯していないにも関わらず、生きることが困難な人「ワーキングプア」の存在です。3食と寝床が保証されている死刑確定者よりも生活水準が低いのはとても苦々しいです。1000万を超えるワーキングプアと、どう増えても100人台の凶悪犯罪者の処遇。人数的にも、死刑確定者を生存させる為の税金を捻出させる点においても、先に議論すべきはワーキングプアの問題だとボクは断言します。

 死刑存廃問題について、どの議論を見てもWikipediaの域を出ないのは残念。死刑廃止論者には、一般論や信条ではなく、104人の死刑確定者全てについて死刑が不的確であることをいちいち論証していただければ面白いしボクも納得できるんですが。

 過去記事で「生物学的に生」であるにも関わらず「社会学的に死」である人のことを書きましたが、死刑確定者の中にはこれと全く逆のパターンになりうる人がいますね。新興宗教の教祖であるが故に、死をもって神格化が確固たる物となり信者に崇められるであろう、あの、松本智津夫死刑囚。先日ある報道番組で、アーレフへの潜入取材が行われていました。そこで彼は、まだ威厳を保ち続けていました。12年前の悪夢は、いつ再現されてもおかしくないですね。あの時国民は破壊活動防止法の適用を拒んだけれど、その世論は正しかったのか、問い直す必要がありそうです。

 閑話休題。世の中は「生物学的な死」については過剰に反応する反面、「社会学的な死」については軽視されている気がするのです。社会で生きていけないことが、そのまま自殺に直結していくことに気付いていない。刑事罰を犯した人間に社会復帰を期待する前に、マジョリティであるべき普通の人間に社会で生きられるようにしてほしい。ガーガー文句を言っていても始まらない。世の中が、より殺伐とならないよう願っています。もとい、働きかけます。

「死ヌトイフコト」3連投にお付き合い頂きありがとうございます。駄文長文失礼しました。

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