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2009/01/25

死を以て復讐と成す

 いじめ自殺の報道が、また駆け巡った。残された人間は苦しみますよ。苦しまないなら、もはや人ではない。

 もし中学校でいじめを受けていたなら、転校すればいい。今のコミュニティから逃げることは子どもに限り許されること。大人とて、然るべき手続きでコミュニティを離れることはできる。

 逃げる手段に自殺を選んだのは残念極まりない。あと数ヶ月で卒業を迎え、そのコミュニティは解体されるだけに、その先に希望を託せず命を絶つのは悔しい。

 さりとてその選択は尊重したい。いじめられた生徒は何も悪くないんだから。悪いのは、自殺に仕向けた奴らなんだから。同級生を死に追いやる己の残虐さに苦しむがいい。

 引用したニュースはこちら。

<ネットいじめ>中3が自殺 遺書に同級生の名 さいたま

 さいたま市教委は19日、市立中学3年の女子生徒(当時14歳)が昨年10月、自宅で首つり自殺したと発表した。女子生徒は自殺の約3カ月前、「ネットいじめ」を受けたと学校に訴えており、死亡後、同級生の実名を挙げ「復讐(ふくしゅう)します」と書かれた遺書も見つかった。市教委は「ネットいじめはあったが、その後は変わった点がなく、自殺に結び付いたとは考えにくい」と説明している。

 市教委によると、女子生徒が自殺したのは10月10日午前で、その後、自宅から「遺書」と書かれた紙が見つかった。学校について「大嫌いでした」と書かれ、同級生の1人の名字を挙げ「復讐はきっちりしますからね」とも書かれていた。

 女子生徒と両親は昨年7月、同級生の携帯電話の自己紹介サイト(プロフ)に「うまくいけば不登校になる」などと書き込まれたと学校に相談。同級生の女子生徒2人が関与を認めたため、担任らとともに自殺した女子生徒方を訪れ、謝罪させたという。遺書に名前があったのはこの2人のうちの1人という。

 学校側は、「7月以降もいじめがあったのでは」とする両親の調査依頼を受け、11月下旬から同級生に聞き取り調査したが、自殺については伏せていた。市教委は「ネットいじめ以降にいじめがあったと確認できない」とコメントした。【弘田恭子、稲田佳代、山崎征克】
(毎日新聞 - 01月19日 11:51)

 この後、ネットいじめ対策で文科省は携帯電話の所持禁止を指示したそうだけど、とんだ責任転嫁だね。いじめは携帯電話ができる前から顕在化した問題じゃないか。こういう形が処方箋になるとは到底思えない。

 現に、いじめ自殺が顕在化した当時に学生だった人が、今は教職についてるんだ。
「いじめをなくそう!」
と声高に叫んで約30年、やっぱりいじめはなくならない。それどころか、社会人の間にもいじめが蔓延している現実。繰り返そう。いじめはなくならない。

 スローガンは明確なのだけれど、それを実現する策が出てこない。総論でザックリ批判しても、各論に落とし込むことをしない。目の前のいじめをなかったことにして、解決する役目から逃げた結果が今につながっている。この場合の「逃げる」は不当だ。

 3人いれば、いじめは起きうる。要はその状態といかに向き合うか、だ。管理者は生徒の動きに目を配らねばいけないし、いじめの芽は潰さねばならない。見逃したら、それは謝らなければいけない。

 かつてガキ大将がいたように、生徒間の自浄作用を期待したいんだけどねえ。辛かったら、とりあえず素手で殴り合え。あくまでも生徒自らの素手で。15年前までは、通用した話。

 それでもダメなら、そこから逃げろ!自ら命を絶つではなく、相手の命を絶つでもない、「逃げる」という第三の道をいじめられっ子に提示すべきなのだ。

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